こんにちわ稲葉です。
珍しく午前中の投稿です。
実は昨日書いた記事を保存し忘れてしまい再度記事を書くハメになってしまいました

気を取り直して。
最近は見かける機会こそ減ったものの、まだ全国的には使用されているご家庭もありそうなガスの風呂釜を交換して参りました。
一昨日の夕方にお風呂が点火しないので見て欲しいと連絡があり、このお客様は2年程前まで暖房用の灯油でお世話になっていたお客様でした。
脚を悪くされてからしばらくお付き合いが無かったのですが、ガスを供給している会社には時間帯が夕方なのもあり気が引けたようで当店へご連絡を頂きました。

本体ステッカーに「YB-200K」とあり、2003年製のようです。メーカー名は見当たりませんが世田谷製作所製でしょうか?
本体を操作するには段差を越えて屈んで操作しなければならないので相当負担になるのが想像出来ます。

写真のような機器を自然排気式(CF)といいます。
燃焼用の空気を屋内から取り、燃焼排ガスを排気筒にて、自然通気力によって屋外に排出するものです。
給気と排気が正しく行われないと一酸化炭素(CO)中毒事故が発生する恐れがあります。
本来は浴室内に設置は出来ません。機器にも「浴室外設置」とステッカーが貼ってありました。
新設はもちろん取替の場合であっても他の方式(屋外設置など)の機器に交換するようすすめられています。
また、排気筒の材質もSUS304またはこれと同等以上のものと指定があり写真のような排気筒では設置基準不適合となります。
機器の年式が2003年という割に排気筒の古さが目立つので、おそらくはその前の風呂釜から継続して使用されている排気筒だと思われます。
問題点として。
・2003年時点の交換の際になぜ屋外設置の機器を勧めなかったのか?
・保安点検の際に指摘事項としてお客さんに伝えていたのだろうか?
技術基準や設置基準などの指針があっても、実際の現場ではお客さんの意向や設置環境など指針通りに行かない部分も当然あります。
それでも、上記の2点に関しては屋外設置機器を提案する、既に使用しているものを交換とは言えないまでも、せめて排気筒の交換を促す事は出来たはずだと思います。
と言うのも数年前に筑西市内でも不完全燃焼防止装置の付いていない旧式の小型湯沸器が原因のCO中毒死亡事故が発生した経緯があるからです。
消費者が求めるものはお風呂に入れてお湯が使える事。
安心してご使用いただくために設置状況や安全装置の不備に関して注意を促すのは我々の責任です。
少々長くなりました

今回はもちろん屋外設置式に交換です。
穴が一つ余計になるので浴槽にキャップをします。

下の穴には循環口を取り付け。

本来は浴槽も交換したかったのですが予算の都合で今回は見送りました。
聞いてビックリだったのが、浴室内に蛇口がないこと

今までは隣接する台所からホースを延ばして浴槽に水を落とし込んでいたそうな。。。。
地面を掘り返して追加で浴室内に単水栓を引き込みました。

室内のコンセントから分岐し防水コンセントを外に出して工事完了です。

機器の固定も室内側で当て木をしてるのでトタンの壁でも大丈夫かと思います。
操作し易い位置にリモコンを付けたので脚への負担も減るでしょうし、タイマー式とは違うので指定温度通りお風呂を沸き上げる事が出来るので使い易くなったのではないでしょうか